露地野菜にドローン農薬散布は使える?対応しやすい作物と注意点
露地野菜の農薬散布では、重いホースを引きながら圃場を歩いたり、動力噴霧機を背負って作業したりすることがあります。
特に気温の高い時期は身体への負担が大きく、作付面積が広いほど散布に必要な人数や時間も増えていきます。
こうした負担を軽減する方法として注目されているのが、ドローンによる農薬散布です。
ドローン農薬散布というと水稲のイメージが強いかもしれませんが、使用する農薬や圃場条件が合えば、キャベツ、ブロッコリー、ねぎ、たまねぎなどの露地野菜にも活用できます。
ただし、すべての作物や圃場に同じように対応できるわけではありません。今回は、露地野菜にドローン農薬散布を導入するメリットと、対応しやすい作物、事前に確認したい注意点を紹介します。
露地野菜にもドローン農薬散布は使える
結論からいうと、露地野菜でもドローンによる農薬散布は可能です。
ドローンは圃場の上空を飛行しながら薬液を散布するため、作業者が圃場内を歩き回る必要がありません。ぬかるみや傾斜がある圃場でも、地上から散布する方法と比べて身体的な負担を軽減できます。
また、作物の上から散布するため、トラクターや乗用管理機のように圃場へ進入する必要がありません。作物を踏んだり、タイヤで畝を傷めたりする心配が少ないこともメリットです。
一方で、露地野菜は水稲よりも作物の種類や草丈、葉の形、栽培方法が幅広く、必要な散布量も異なります。そのため、「露地野菜だから散布できる」と一括りにするのではなく、作物、使用農薬、圃場環境を個別に確認することが大切です。
ドローン散布に対応しやすい露地野菜
ドローン散布に比較的対応しやすいのは、まとまった面積で栽培され、上空から圃場全体を確認しやすい作物です。
たとえば、次のような露地野菜が候補になります。
キャベツ
ブロッコリー
はくさい
レタス
ねぎ
たまねぎ
えだまめ
ばれいしょ
にんじん
だいこん
ただし、これらの作物であれば必ず散布できるという意味ではありません。
同じキャベツでも、圃場の広さ、周囲の作物、住宅との距離、生育状況によって散布条件は変わります。使用予定の農薬が対象作物に登録されているか、ドローンで使用できる方法になっているかについても確認が必要です。
特に、複数の野菜が隣接している圃場や、少量多品目で栽培している圃場では、隣の作物への飛散に注意しなければなりません。
露地野菜でドローンを使うメリット
農薬散布の負担を軽減できる
露地野菜の農薬散布は、暑い時期に行われることも多く、作業者に大きな負担がかかります。
ドローンを活用すれば、重い散布機を背負ったり、長いホースを引いたりする作業を減らせます。高齢化や人手不足が進む農業現場では、作業を継続していくための選択肢になります。
短時間で広い範囲を散布しやすい
病害虫防除では、適切な時期を逃さずに散布することが重要です。
人手による散布では、面積が広くなるほど作業に時間がかかります。ドローンで効率よく散布できれば、限られた時間と人員でも複数の圃場に対応しやすくなります。
特に、同じ作物をまとまった面積で栽培している農業法人や生産者団体では、導入効果を出しやすいと考えられます。
圃場内に入らず散布できる
雨の後や土壌が柔らかい時期は、農業機械が圃場に入ることで、わだちができたり土壌を締め固めたりすることがあります。
ドローンは上空から散布するため、地上の状態による影響を受けにくく、作物や畝を傷めるリスクも抑えられます。
露地野菜で注意したいポイント
使用できる農薬を必ず確認する
ドローン散布では、対象作物だけでなく、農薬の「使用方法」も確認する必要があります。
農林水産省によると、「無人航空機による散布」などの使用方法が登録されている農薬のほか、散布機器が指定されていない「散布」や「全面土壌散布」なども、希釈倍率や使用量などを守れる範囲でドローンを使用できる場合があります。
作物名、適用病害虫、希釈倍率、使用量、使用時期、使用回数、収穫前日数まで、散布前に最新の登録内容を確認することが重要です。農林水産省「ドローンで使用可能な農薬」
葉の裏側まで届くかを確認する
ドローンは作物の上から薬液を散布します。
そのため、葉が何層にも重なっている作物や、葉の裏側に発生する病害虫を対象とする場合は、薬液の到達状況を確認しなければなりません。
飛行高度、速度、散布量、ノズルの設定だけでなく、作物の生育段階によっても付着状況は変わります。必要に応じて、最初に水を使った試験散布を行い、感水紙などで薬液の付着状況を確認する方法もあります。
周辺作物への飛散を防ぐ
露地野菜の圃場では、隣に別の作物が植えられていることがあります。
対象作物には使用できる農薬でも、隣接する作物には登録されていない可能性があります。住宅、道路、学校、養蜂場、ビニールハウスなどが近い場合も、より慎重な判断が必要です。
風向・風速を確認し、飛行高度や圃場外周の散布方法を調整するなど、周辺環境に合わせた飛散防止対策が欠かせません。
小さく分かれた圃場は効率を確認する
ドローンは、ある程度まとまった面積を連続して散布する現場で高い効率を発揮します。
一方で、小さな圃場が離れた場所に点在している場合は、機体の移動、薬液の準備、バッテリー交換などに時間がかかることがあります。
単純な面積だけで判断せず、圃場間の距離、障害物、電線、離着陸場所、使用する薬液量まで含めて、作業計画を立てることが大切です。
まずは圃場確認や試験散布から
露地野菜へのドローン農薬散布は、作業時間と身体的な負担を軽減できる可能性があります。
特に、同じ作物をまとまった面積で栽培している圃場や、地上からの散布に時間がかかっている現場では、導入を検討する価値があります。
ただし、作物の形状や生育状況、使用農薬、周辺環境によっては、地上散布のほうが適している場合もあります。
株式会社Next innovationsでは、圃場の広さや形状、作物、使用予定の農薬、周辺環境を確認したうえで、ドローンによる農薬散布が適しているかを検討します。
「自分の作物でも散布できるのか」「現在の散布方法から切り替えられるのか」とお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。