林業の資材運搬にドローンを活用する5つのメリット|作業負担と安全性の課題を軽減
林業の資材運搬にドローンを活用する5つのメリット|人手不足・作業負担・安全性の課題を軽減
林業の現場では、苗木や獣害防止ネット、支柱、工具、燃料など、さまざまな資材を山中へ運ぶ必要があります。
しかし、急斜面や林道が整備されていない場所では、トラックや重機が入ることができません。そのため、作業員が資材を背負い、足場の悪い山道を何度も往復している現場も少なくありません。
資材運搬のために多くの人員と時間が必要になるだけでなく、転倒、滑落、腰や膝への負担など、安全面にも課題があります。
こうした林業現場の資材運搬を効率化する手段として、近年注目されているのが「物流ドローン」です。
本記事では、林業の資材運搬に物流ドローンを活用するメリット、運搬が想定される資材、ほかの運搬方法との使い分けについてご紹介します。
林業における資材運搬の課題
植林や森林整備の現場では、作業そのものだけでなく、現場まで資材を運ぶことにも大きな負担がかかります。
特に、車両が進入できる林道から作業場所まで距離がある場合や、標高差のある急斜面では、人力による運搬が必要になります。
一つひとつの資材は運べる重さであっても、苗木、シカなどによる食害を防ぐネット、支柱、杭、工具などをまとめると、運搬量は非常に多くなります。作業員が何度も山道を往復すれば、現地での植栽や設置作業を始める前に体力を消耗してしまいます。
モノレールを設置する方法もありますが、設置と撤去に費用や時間がかかるため、短期間の現場や運搬量が限られる現場では導入しにくい場合があります。有人ヘリコプターは大量の資材を運べる一方、一定の運搬量や予算がなければ利用しにくいケースもあります。
物流ドローンは、人力、モノレール、重機、有人ヘリコプターのすべてに代わるものではありません。それぞれの特徴を踏まえ、現場の地形、距離、資材の重量、運搬量に合わせて使い分けることが重要です。
ドローンで運搬が想定される林業資材
林業現場では、主に次のような資材の運搬が想定されます。
植林用の苗木
獣害防止ネット
ネット設置用の支柱や杭
防護柵の部材
チェーンソーなどの工具類
燃料や水
作業員用の飲料や食料
小型機械や交換部品
調査・測量機材
治山工事などで使用する資材
ただし、重量だけで運べるかどうかを判断することはできません。荷物の形状や重心、吊り下げ方法、飛行経路、周辺の樹木、離着陸場所の広さ、電線などの障害物、風の状況も確認する必要があります。
そのため、実際の運搬前には現場調査を行い、安全な飛行経路と作業方法を計画します。
林業で物流ドローンを活用する5つのメリット
1.資材運搬にかかる時間を短縮できる
人力運搬では、作業員が山道を歩いて資材を届け、再び出発地点まで戻らなければなりません。距離や高低差が大きいほど、1往復にかかる時間も長くなります。
物流ドローンは、出発地点から作業場所まで空中を移動できるため、地上の道に沿って運ぶ必要がありません。谷や斜面を越えて、資材を必要な場所の近くまで届けられる可能性があります。
運搬時間が短くなれば、限られた作業時間を植栽や防護柵の設置など、本来の作業に充てやすくなります。
林野庁も、急傾斜地での再造林を省力化する技術として、ドローンによる苗木などの運搬に関する実証や調査を進めています。
2.作業員の身体的な負担を軽減できる
重い資材を背負って急斜面を歩く作業は、腰、膝、肩などに大きな負担がかかります。暑い時期や雨上がりなど、足場の状態が悪い環境では、体力の消耗もさらに大きくなります。
物流ドローンで資材を運ぶことができれば、作業員が背負う荷物と往復回数を減らせます。
すべての資材をドローンで運べない現場でも、重量物や運搬回数の多い資材だけをドローンに置き換えることで、現場全体の負担を軽減できる可能性があります。
3.転倒や滑落などのリスク低減につながる
林野庁によると、林業は足場の悪い山中で重量物などを扱うため、労働災害の発生率が高い産業とされています。令和6年における林業の死傷年千人率は23.3で、全産業の2.3と比べて約10倍です。
ドローンを導入すれば、林業におけるすべての事故を防げるわけではありません。しかし、重い荷物を持って急斜面を何度も移動する作業を減らすことは、転倒や滑落、身体への過度な負担といったリスクを抑える一つの手段になります。
作業時間の短縮だけではなく、働く方の安全を守るという視点も、物流ドローンを活用する大きな意義だと考えています。
4.人手不足の現場でも作業を進めやすくなる
林業では担い手不足や高齢化が課題となっており、限られた人数で現場を進めなければならないケースが増えています。
資材運搬に多くの人員を割くと、植栽や下刈り、防護柵の設置などを担当する人員が不足します。運搬工程をドローンで効率化できれば、作業員をより専門性の高い工程へ配置しやすくなります。
また、身体への負担が大きい運搬作業を減らすことは、経験豊富な人材が長く働ける環境づくりや、新たな担い手が働きやすい職場づくりにもつながります。
5.モノレールや有人ヘリを使いにくい現場にも対応できる可能性がある
モノレールは継続的に使用する現場では有効ですが、設置と撤去が必要です。有人ヘリコプターは重量物を一度に運べる一方、小規模な運搬では費用とのバランスが合わない場合があります。
物流ドローンは、モノレールを設置するほどではない現場や、有人ヘリを手配するには運搬量が少ない現場において、新たな選択肢になる可能性があります。
「人力で運ぶしかない」と考えられていた場所でも、現場条件を確認することでドローンを活用できるケースがあります。
大型物流ドローン「DJI FlyCart 100」
株式会社Next innovationsでは、大型物流ドローン「DJI FlyCart 100」を活用した資材運搬サービスをご提案しています。
当社では最大80kgを目安とした運搬体制を整えており、苗木や獣害防止ネットなどの造林資材から、林業・建設現場で使用する比較的重量のある資材まで、さまざまな用途を想定しています。
実際に運搬できる重量は、飛行距離、標高、高低差、気温、風、バッテリー構成などによって変わります。最大積載量だけで判断せず、現場ごとに安全性と作業効率を確認したうえで運搬計画を作成します。
また、荷物をただ吊り下げて飛ばすだけではありません。荷物の梱包、ワイヤーやフックの選定、荷崩れや回転の防止、離着陸地点の安全確保、作業員間の連絡方法まで含めた準備が必要です。
物流ドローンが適している現場とは
次のような課題がある場合は、物流ドローンを活用できる可能性があります。
車両や重機が作業場所まで入れない
苗木やネットを人力で何度も運んでいる
急斜面で作業員の負担が大きい
モノレールの設置費用や期間が課題になっている
有人ヘリを使用するほどの運搬量ではない
短期間に資材を運び込みたい
災害や林道の崩落などで地上からの移動が難しい
一方で、樹木に覆われて飛行経路が確保できない場所、離着陸場所が確保できない場所、風が強い場所などでは、ドローン運搬が適さない場合もあります。
まずは図面、現場写真、運搬物の情報などから、ドローンを利用できる可能性を確認することが大切です。
林業現場の資材運搬についてご相談ください
株式会社Next innovationsは、「ドローンの力で人の命を守り、誰も無理をしなくてよい社会をつくりたい」という想いで、物流ドローン事業に取り組んでいます。
物流ドローンは、単に作業を速くするためだけの機械ではありません。危険な場所での重労働を減らし、現場で働く方の身体と安全を守るための選択肢の一つです。
「この場所でも飛ばせるのか」「この資材は運べるのか」「人力やモノレールと比べて効率が上がるのか」など、計画段階のご相談も承ります。
現場写真、地図、運搬する資材の種類・重量、出発地点から運搬先までのおおよその距離が分かれば、活用の可能性を確認できます。
林業や山間部での資材運搬にお困りの際は、株式会社Next innovationsまでお気軽にお問い合わせください。