ドローン農薬散布を活用する5つのメリット|作業時間・負担・人手不足の課題を軽減
農業の現場では、病害虫や雑草から作物を守るため、適切な時期に農薬を散布する必要があります。
しかし、農薬散布は暑い時期に行われることも多く、重い散布機を背負って圃場内を歩く作業は、農業従事者にとって大きな負担になります。
また、作付面積が広くなるほど作業時間が長くなり、人手不足や高齢化によって、必要な時期に散布を終えることが難しいケースも少なくありません。
こうした農薬散布の課題を軽減する方法として、近年注目されているのが農業用ドローンです。
この記事では、ドローン農薬散布の特徴や5つのメリット、従来の散布方法との違い、どのような圃場に適しているのかを紹介します。
農薬散布で発生しやすい課題
農薬散布は、作物の品質や収量を守るために欠かせない作業です。
その一方で、現場では次のような課題が発生しています。
・重い動力噴霧器やホースを使用するため、身体への負担が大きい
・夏場の作業では、熱中症の危険がある
・広い圃場では、散布に長い時間がかかる
・作業できる人員が限られている
・圃場条件によっては、作業者が入りにくい
・適切な防除時期に作業を終える必要がある
特に、病害虫の発生状況や天候によっては、限られた期間内に散布しなければなりません。
人員をすぐに確保できない場合や、複数の圃場を管理している農家・農業法人にとって、農薬散布の効率化は重要な課題となっています。
ドローンで散布できるもの
農業用ドローンは、機体に専用の散布装置を取り付け、圃場の上空を飛行しながら農薬や肥料などを散布します。
主に次のような作業への活用が考えられます。
・水稲への殺虫剤・殺菌剤・除草剤の散布
・麦や大豆、トウモロコシなどへの農薬散布
・野菜類への農薬散布
・果樹園での農薬散布
・粒剤や肥料の散布
ただし、すべての農薬を自由にドローンで散布できるわけではありません。
農薬ごとに定められている対象作物、使用量、希釈倍率、使用時期、使用回数、使用方法などを確認し、ラベルの記載内容に従って使用する必要があります。
農林水産省では、無人航空機による農薬の空中散布に関する情報や安全ガイドラインを公開しています。
ドローン農薬散布を活用する5つのメリット
1.農薬散布にかかる時間を短縮できる
ドローンは、圃場の上空を一定の速度で移動しながら農薬を散布できます。
作業者が散布機を背負って圃場内を歩く方法と比較して、広い範囲を短時間で施工しやすいことが大きな特徴です。
散布作業の時間を短縮できれば、複数の圃場を管理している場合でも、限られた防除期間内に作業を進めやすくなります。
ただし、実際の作業時間は圃場の形状、散布量、使用する薬剤、周辺環境、気象条件、薬剤やバッテリーの補給回数などによって異なります。
2.作業者の身体的負担を軽減できる
従来の農薬散布では、重い散布機を背負ったり、長いホースを引いたりしながら圃場内を移動することがあります。
ぬかるみや傾斜のある場所では歩くだけでも負担が大きく、転倒する危険もあります。
ドローンを活用すれば、作業者が圃場全体を歩きながら散布する必要がなくなります。
重量物を持って移動する作業を減らせるため、足腰への負担軽減や安全性の向上が期待できます。
3.暑い時期の作業負担を軽減できる
農薬散布は、気温が高くなる時期に実施することもあります。
暑い中で防護具を着用し、重い機材を持って長時間作業することは、作業者にとって大きな負担です。
ドローンによって散布時間や圃場内での作業を減らすことで、炎天下で作業する時間の短縮につながります。
熱中症の危険を完全になくせるわけではありませんが、作業者が農薬に接触する機会や身体的な負担を減らす手段の一つになります。
4.少人数でも広い圃場に対応しやすい
農業分野では、従事者の高齢化や人手不足が大きな課題となっています。
農薬散布のために多くの作業員を確保することが難しい農家や農業法人も少なくありません。
ドローンを活用することで、従来よりも少ない人数で散布作業を進めやすくなります。
散布作業の省人化ができれば、ほかの管理作業や収穫作業などに人員を配置しやすくなり、農作業全体の効率化にもつながります。
5.圃場に車両を入れずに散布できる
農業用ドローンは上空から散布するため、散布車両が圃場内を走行する必要がありません。
作物が植えられている圃場や、地面がぬかるんで車両が入りにくい場所でも、条件が整えば散布できます。
車両の走行による作物への接触や土壌への影響を抑えながら作業できることも、ドローン散布の特徴です。
ただし、電線、樹木、建物などの障害物が多い圃場や、住宅・道路・河川などが近い場所では、事前の現地確認と十分な安全対策が必要です。
従来の散布方法との違い
農薬の散布方法には、人力散布、乗用管理機、無人ヘリコプター、農業用ドローンなどがあります。
それぞれに得意な現場があり、すべての散布作業をドローンに置き換えられるわけではありません。
散布方法 | 主な特徴 |
|---|---|
人力散布 | 小規模な圃場や細かな作業に対応しやすいが、身体的負担が大きい |
乗用管理機 | 広い圃場に対応しやすいが、進入路や圃場条件の影響を受ける |
無人ヘリコプター | 大規模な一斉防除に適しているが、スポット的な散布では調整が必要な場合がある |
農業用ドローン | 小回りが利き、比較的小規模な圃場や分散した圃場にも対応しやすい |
例えば、無人ヘリコプターによる一斉防除を基本としながら、日程が合わなかった圃場や追加防除が必要な場所をドローンで補う方法も考えられます。
大規模な一斉防除と、ドローンによる柔軟な散布を組み合わせることで、それぞれの長所を生かした運用が可能になります。
ドローン農薬散布が適している現場
ドローン農薬散布は、特に次のような現場で効果が期待できます。
・複数の圃場を管理している
・農薬散布を行う人員が不足している
・高齢化によって背負い式散布機の使用が難しくなっている
・圃場が分散している
・車両が進入しにくい
・無人ヘリコプターの一斉防除を補完したい
・必要な圃場だけスポットで散布したい
・水稲だけでなく、畑や果樹園にも対応したい
・少量散布から高散布量まで相談したい
一方、住宅地や学校、病院、道路、河川、養蜂場所、有機栽培圃場などが近い場合は、周辺への飛散防止や事前周知を含め、より慎重な計画が必要です。
実施前に圃場の面積や形状だけでなく、周辺環境、障害物、離着陸場所、使用する農薬、散布量などを確認することが重要です。
大型農業用ドローン「DJI AGRAS T70P」を活用
株式会社Next innovationsでは、大型農業用ドローン「DJI AGRAS T70P」を使用しています。
T70Pは70Lの液剤散布タンクを搭載し、広い圃場から散布量の多い作業まで、さまざまな条件に対応しやすい農業用ドローンです。
大容量タンクによって薬剤の補給回数を抑えやすく、効率的に作業を進められます。
また、圃場条件に合わせた飛行計画の作成や、自動飛行によるルート管理にも対応しています。設定した速度、高度、散布幅に沿って飛行することで、安定した施工を目指します。
対応を想定している主な作物は次のとおりです。
・水稲
・麦
・大豆
・トウモロコシ
・野菜類
・果樹類
薬剤の種類、散布量、作物、圃場条件などによって対応方法が異なるため、事前に内容を確認したうえで散布計画をご提案します。
まずは圃場の状況をご相談ください
ドローン農薬散布は、作業時間の短縮、省人化、身体的負担の軽減、安全性の向上などが期待できる方法です。
一方で、圃場の形状や周辺環境、作物、使用する農薬などによって、適した散布方法は異なります。
株式会社Next innovationsでは、圃場の面積や場所、作物、現在の散布方法、お困りごとなどを確認し、ドローンを活用できるか検討します。
「ドローンで本当に散布できるのか確認したい」
「現在の散布方法と比較してみたい」
「無人ヘリコプターで対応できない圃場だけ依頼したい」
「農薬ではなく、まずは水を散布して使用感を確かめたい」
このような段階からでも、お気軽にご相談ください。
ドローンの力で農薬散布の負担を軽減し、農業に携わる皆さまが、より安全で効率的に作業できる環境づくりをお手伝いします。